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IPA会員 高野 経将 Takano Nobuyuki

日本写真学園研究科で写真コーディネイターの本多進次氏に師事。
林忠彦氏の助手を経て、ルポルタージュ写真作家として独立。
写真集「川の辺の町・京都」
(社)日本写真協会、日本写真芸術学会、日本写真作家協会会員
〒300-1158 稲敷郡阿見町住吉2-5-65 TEL&FAX 0298-42-4172


 


2003年の写真展「街の陰影」

此処はインド・ダージリン市。そう、紅茶で有名なあのダージリンです。
ヒマラヤへと続く標高2134メートルの尾根は「女王陛下の丘」と呼ばれ、イギリス人の避暑地として開発されました。
暑い陽射しの下、バスの発着場やバザール周辺では、ありとあらゆる臭いが砂ぼこりと一緒になって、人の群れに渦巻いて漂っていました。

 



2005年の写真展「煩わされず、煩わさず」

潮風に錆び崩れた棄車。崩れながら周囲と同化して、荒ぶる樹に負けない力を見せている。
同化するように努めれば、其処に住むことを認めてくれる。それでも生活の中に入ってきては困るし、干渉されたくは無い。
展げられた漁網の浮子が、占拠した場所の縄張りをしている。背を向けて坐る人が、手練れた仕草で、繕い仕事に没頭していた。
自力で耐える。その強さは、独りの切なさを覚悟した生命力と云える。
煩わされたくない。だから、煩わせない。そういう生き方を、海ノ辺の船溜まりで見せて貰いました。
 



2006年の写真展「絶えて久しく」

2002年と05年の2回、インドネシアの島で国際テロによる爆発が起きた。赤道に近い熱帯の島、バリです。
サーファーや海水浴・日光浴の人々で賑わったビーチは犬連れの人の散歩道。呼び声もなく座り込む商いの人は黒い固まりの様。
神々の住む「聖なる山」に対して、魔物が棲む「穢れの海」と恐れる島の人々には、海で泳ぐ習慣はない。
星明かりの下、漁師は舳先に描かれた鯨魚に安全を祈り、インド洋の漁場に向かう。朝日の輝く頃、仲間と一緒に舟を浜に担ぎ上げる。いつも大漁のような笑顔。
人々の動作はゆっくりと優しく、大声や子供の泣き声も聞こえない。魔物が目覚め怒り出さぬように、供物をささげて祈る。仲良くそして穏やかに生活する日常。
観光客が消えた素顔の島、太陽がオレンジ色の火の玉になり水平線に沈んだ。